超短波治療とは

体内深部を穏やかにじっくり温める「温熱療法」治療器

細胞を温めて身体の機能を高め、病気や症状の改善をする物理療法を「温熱療法」といいます。
日頃、皆さんもお風呂に入って1日の疲れを癒していますよね?これも立派な温熱療法の1つです。

病院や整骨院(接骨院)でおこなわれる温熱療法には「ホットパック」「赤外線」「超短波」「マイクロ波」などがあります。これらはすべて身体を温めるための治療器ですが、「伝導加温」「立体加温」という二つに分類することができます。

簡単に言うと、
伝導加温=「身体の表面だけ温める」のか
立体加温=「身体の深部まで温める」のか
の違いです。

伝導加温(=ホットパック・赤外線など)

ホットパックや赤外線は「伝導加温」といい、カイロや電気アンカと同じでそれ自体が熱を持ち、皮膚を通して徐々に体内に伝わっていくことで身体を温めますが、ほとんどが皮膚の表面で吸収されるため、皮膚の下0.5~3mmほどしか温まりません。
そのため皮膚表面が十分に温かくなっても、肝心の筋肉や関節の内部は思ったほど温まっていません。温かくて気持ちがいいのは、皮膚の表面が温まっているからなのです。ちなみに温泉(お湯)も伝導加温なので、温まったつもりでお風呂からあがっても、すぐに寒く感じる方が多いのではないでしょうか。

立体加温(=超短波・マイクロ波など)

対して、超短波やマイクロ波は「立体加温」といい、電波の作用で体内に深く入り込みます。皮膚の下3〜5cmくらいまで温めることができるため、直接筋肉や関節、内臓を温めることができます。

皮膚や皮下脂肪をいくら温めても症状改善や健康維持は望めませんので、こういった意味でも、超短波治療は最も温熱療法の目的にかなった治療法と言えるのです。
当院では、この立体加温である超短波治療器を使った温熱療法をおこなっております。

温熱療法1

超短波で温まる仕組みとは?

超短波とは、1秒間に2,700万回もプラスとマイナスの極性が入れ替わる電波を利用した温熱療法です。

細胞にはプラスとマイナスの電気を持っている双極性分子というものがあるのですが、この双極性分子が細胞内外で超短波によって回転することで、細胞同士の摩擦が起き発熱します。
その結果、超短波の導子は温かくないのに、身体の奥深くから心地よい温感が伝わってきます。

超短波治療1

身体を芯から温めて免疫力アップ

人は本来、36.5℃以上の体温で身体の機能が正常に働くようにできています。
しかし、現代の日本では35.0℃台という「低体温症」の方が非常に多く、50年前と今では、日本人の体温の平均は約1.0℃下がっていると言われています。

体温が1℃上がると免疫力は約5倍、エネルギー代謝は約13%アップ

体温が上がると血液の流れがよくなり免疫力が高まります。体温が1℃上がると免疫力は約5倍、エネルギー代謝は約13%アップすると言われています。

代謝アップ
血液は約60兆個もの細胞に酸素や栄養を届け、老廃物を持ち帰る働きをしています。その血液の中にある免疫機能を持った白血球が身体の中をパトロールし、外界から侵入してきたウイルスや異物を見つけたり、身体の中にがん細胞ができるたびに発病しないように攻撃し死滅させてくれています。実は、健康な人でも1日に約5000個ものガン細胞ができていて、35.0℃の体温で最も増殖する性質があると言われています。

体温が1℃下がると、白血球の働きが30%以上もダウン!?

一方で、体温が下がると血液の流れが悪くなり免疫力は低下します。身体の中に異物を発見しても白血球の働きが落ちているため、ウイルスなどに負けて発病しやすくなってしまうのです。また、免疫に関わる腸などの内臓の働きも低下します。

免疫力ダウン
このように体温が下がるということは、肩こりや腰痛などの筋肉や関節の痛みや不調だけでなく、高血圧や糖尿病などの生活習慣病・アレルギー・うつ・ガンなど、さまざまな病気を引き起こすリスクを高めてしまうのです。
ちなみに、心臓や脾臓など産熱量の多い臓器にはガンはできないと言われています。

身体を深部から温め平熱を上げることで体温が正常に保たれ、血液の流れやリンパの流れを正常化し活性化することにより、自律神経のバランスを整え、免疫力や自然治癒力を高めることで、さまざまな病気や不調を予防できるのです。

超短波による局所の温熱効果

  • 神経痛、筋肉痛の痛みを和らげる
  • 筋肉のこりをほぐす
  • 筋肉の疲れをとる
  • 血行をよくする
  • 胃腸の働きを活発にする
  • 疲労回復

骨折・脱臼・打撲・挫傷・捻挫などのケガからの早期回復やリハビリ目的、自律神経・内分泌・免疫力の調整などにも効果的です。また、肩こり・腰痛・冷え症・便秘・不眠症、婦人科疾患をはじめ、多くの不定愁訴改善にも効果が期待できます。

2つの導子で高い温熱効果をつくる

当院が使用している超短波治療器には2つの導子があり、それらを使い分けることにより高い温熱効果を引きだします。

①患部を挟み、2方向から治療する「コンデンサー式」のピンク導子

コンデンサー式は、治療する部位を二極の導子で挟んだり、並べたりして使用します。
超短波エネルギーが導子と導子の間を透過することで穏やかな温感が内部に浸透するため、脂肪層が薄い肩・肘・膝などの治療や、水分の多い筋肉層を温めるのに効果的です。
ピンク導子

②より深部にエネルギーを送り込む「コイル式」のオレンジ導子

コイル式は、体内に磁場をつくりエネルギーを発生させる方式で、身体の深部まで到達します。
特徴としてはエネルギーを吸収しやすい脂肪層を通過し、脂肪層よりさらに深い身体の内部に作用します。そのため脂肪層の奥にある胃腸など、内臓の働きを活発にし血行をよくする効果があります。
オレンジ導子

ソフトで快適な温熱効果

超短波にも種類があります。

一定の出力で連続的に照射する連続式

連続式は、高い温熱効果があります。しかし熱くなりすぎるのを防ぐために、身体と照射器の間に握りこぶし1個分(約7~8cm)の間を空ける必要があります。そのため空気中にエネルギーが逃げてしまうというデメリットがあります。

一定の間隔で照射と休止を繰り返すパルス式

パルス式では、熱くなりすぎないため照射器を身体に密着させて使用することができます。密着させることで治療器の能力を十分に発揮でき、温熱効果を高めることができます。

  • 皮膚の温度が10℃上昇すると皮膚が赤くなり、やけどなど皮膚にダメージを与える恐れがあります
  • 皮膚の温度が6℃上昇すると熱いと感じ、逆に痛みが増してきます
  • 皮膚の温度が4℃程度の上昇は快適で、より効果的な作用をもたらします

当院で使用する超短波治療器は、温熱効果が高い連続式とは違いパルス式による治療器で、照射部位の温度は約4℃上昇すると言われていますので、ソフトで快適な温熱効果が期待でき、あらゆる部位の治療が可能です。

超短波治療2"

(柔道整復師・鍼灸師 李拓哉 監修)